1株100ドルという価格は、多くの投資家や企業にとって魔法のような境界線だ。その金額を下回る株は手頃だとみなされ、その金額を上回る株は「高価」だ。多くの企業が株式分割を発表する際、適用される比率は通常、株価を100ドル以下にするのに十分なものであるのはこのためだ。例えば、チポトレ・メキシカン・グリル(NYSE: CMG )は1株3,100ドル以上で取引されている。同社の株主は50対1の株式分割を承認したばかりだが、これはニューヨーク証券取引所史上最大級の分割だ。分割が完了すると、CMG株は1株63ドル前後で取引されることになる。チポトレは2対1、3対1、あるいは10対1の株式分割もできただろうが、それだけでは十分ではなかっただろう。20対1の分割でも、チポトレ株は1株150ドル以上で取引されるだろう。これは企業が突破する必要性を感じている心理的障壁である。しかし、チポトレ・メキシカン・グリルの株価が3,100ドルであろうと63ドルであろうと、保有する価値のある素晴らしい株であることに変わりはない。重要なのは株価ではなく、その基盤となる事業なのだ。