日本時間: 2015年7月8日 19時7分 公開
テスラモーターズが2016年前半までにオーストラリアで蓄電池製品の販売を開始すると『シドニー・モーニングヘラルド』が伝えました。
同社の海外進出の手始めはオーストラリアとドイツだとされています。オーストラリアは高い日照率、高い電力価格、低いコスト率といった望ましい条件がすべて揃い、250億ドルの潜在的市場価値があるとされており、様々な企業が家庭用および事業用蓄電システム市場への参入を図っています。
米国企業LGケムは、オーストラリア蓄電池市場は2017年までに15倍の3万基に伸びると見込み、そのうち30%のシェア獲得を目指して2015年8月までに進出することを計画しています。
パナソニックはテスラにバッテリーセルを納入するサプライヤーですが、独自で10月までに同国での自社製品販売開始を計画しています。
サムスンも今年中の発売を予定し、現在オーストラリア販売企業オリジン・エナジーと共同で製品試験を実施しています。また台湾企業の友達光電も、オーストラリア企業のAGLエナジーと同分野で提携しています。
オーストラリアではソーラーパネルの設置に政府の補助金が下りることになり、『ブルームバーグ・ニューエナジーファイナンス』は2040年までに国内住宅の半数にあたる約600万戸がソーラーパネルを設置し、投資額は3兆7000億ドルに達すると見積もっています。
テスラは今後何ヶ月かをかけて、太陽光発電分野で提携する開発業者や事業者を検討していくとのことです。
テスラの蓄電製品はすでにオーストラリア市場の価格に影響を及ぼしていると6月に報じられ、同国で他企業が価格面で追いつくにはざっと10年かかるとのアナリスト予測も紹介されました。
テスラ株は2015年7月7日、ドイツ銀行が「買い」から「保留」へ更新したことを受け、4.23%下落の267.88の終値をつけました。同銀行はしかし、目標株価を245ドルから280ドルへと上げており、同社の蓄電池事業について長期的には依然として楽観視しています。