日本時間: 2017年7月25日 22時30分 公開
4月、アップル(NASDAQ:AAPL)の長年のサプライヤイマジネーション・テクノロジーズ(NASDAQOTH:IGNMF)は、イマジネーションの最大の顧客であるアップルが、今後のアプリケーションプロセッサでイマジネーションのグラフィックス知的財産を使用しなくなるということ、投資家へ開示しました。
イマジネーションの最初の開示は、あたかも突然の開発であるかのように見せかけていましたが、アップルは数年前にイマジネーションに通知していたと言われています。
イマジネーションの事業は、アップルの事業がなければ実現不可能であると考えられるため、イマジネーションは現金調達のために自社の一部の売却計画の後に、売却を決めたのです。
イマジネーションはみずから売却しようとしていますが、依然として公的株主を持つ独立系企業です。そのため、投資家に対して財務業績を報告しています。
このコラムでは、イマジネーションの最新の投資家向け発表から3つのことを考えてみたいと思います。
◆アップルの状況
アップルの「イマジネーションの設計を排除し、ロイヤルティが2018年に終わるという主張」は、「実証されていない」とイマジネーションは述べています。
意外にも、イマジネーションは「アップルとの闘争は続いている」ことと「最終的にはこの紛争解決のための進展が見られていない」ことを言いました。
◆PowerVRのアップデート
イマジネーションのPowerVRグラフィックス事業は、アップルからの収益の大半を生み出しています。しかし、しばらくの間、顧客を拡大し、PowerVRグラフィックス技術の基盤を設計しようと努力してきました。
イマジネーションは、「新型Furian GPUアーキテクチャとハイエンドのSeries 8XT [グラフィックス]コアは、PowerVRの技術リーダーシップを確立する」と語りました。
つまり、「独特で差異のある」グラフィックス技術を提供するという明白な目的で、今後のチップからイマジネーション・テクノロジーズを除外するとアップルが言っているならば、イマジネーションの未来のグラフィックスプロセッサが「技術的リーダーシップ」を持つことになるかどうかはっきりしないのです。
また、中国のスマートフォンチップメーカーのスプレッドトラムと台湾のスマートフォンチップメーカーのメディアテックとの技術スコアリングデザイン勝利とともに、ミッドレンジPowerVRシリーズXEグラフィックプロセッサが「もっとも成功した製品の発売」と、イマジネーションは述べています。
そして、最後に、PowerVRグラフィックス技術は「自動車インフォテイメント市場の大きなシェア」を持つことと、その技術が自動運転支援システム(ADAS)にまで拡張するはずであることを、イマジネーションは主張しているのです。
◆MIPSはどうなっているのか?
イマジネーションは2012年にMIPSテクノロジーズを買収し、イマジネーションが売りに出る前、現金の調達のためにMIPS部門を売却したがっていました。
その発表でイマジネーションが言うには、MIPS事業が「従来の市場における継続的な設計勝利」であり、そこにはネットワーキングとルータ、セットトップボックス/デジタルTVが含まれているということです。
モービルアイ(NYSE:MBLY)が次世代EyeQ5プロセッサ「MIPS I6500」を選択したことと、自動車部品サプライヤーのデンソーが今後のチップ向けにMIPSコアをライセンス供与したことに注目し、MIPSは「自動車市場における存在を引き続き高めている」ことを、イマジネーションは投資家に知らせました。
最後に、メディアテックを「MIPSのIクラスにおけるLTEモデムの主要顧客」として挙げながら、MIPSプロセッサがLTEモデムの中で牽引されつつあることをイマジネーションは述べました。これらのMIPSコアを使用したLTEモデムの量産化は、今年の夏に始まるだろうということです。