日本時間: 2017年6月12日 1時41分 公開
アップル(NASDAQ:AAPL)が最近リフレッシュしたiPad Proタブレットは、カスタム設計されたA10Xフュージョン・チップが搭載されています。以前に言及したチップは、薄く軽いタブレットに適した狭いパワーエンベロープに置いて、膨大な量のCPUとグラフィック性能を提供するエンジニアリングの驚異なのです。
アップルのタブレットチップで注目すべき点は、iPadから3~6か月後にリリースされるiPhoneモデルに搭載されるプロセッサから期待できるプレビューに関して、我々が何かを得るということです。
A10XがA11について示唆すると思われるものは、次のとおりです。
◆CPUの性能を大幅に向上させる
iPadでのチップ、すなわち、 「X」が付くバージョンのチップは、iPhoneのものよりもCPU性能がかなり向上する傾向があります。このことはコアツーコアベースで適用され、場合によっては、同じチップのiPhone版よりもiPad版にはより多くのコアが含まれるのです。
たとえば、Geekbench 4 CPUの性能テストで、私の9.7インチiPad ProのA9Xプロセッサは、シングルコアで3031とマルチコアで5138を達成しています。一方、iPhone 6s PlusのA9のスコアは、シングルコアで2555、マルチコアで4410を達成しているのです。
このことは、A10とA10Xでも同じです。私のiPhone 7 PlusのA10は、シングルコアで3473、マルチコアで5725のスコアを達成し、Geekbench 4データベースの登録によると、A10でのスコアはそれぞれ3933と9293でした。
明らかなもう一つの傾向は、チップの 「X」バージョンが一般的に 「X」以外のものよりかなり高速であるのに対して、各世代の非「X」チップが一般的に、これまでの世代の「X」チップよりもコアごとのCPU性能が向上しているということです。このことはA7とA9、A10に当てはまりましたが、A10Xに対してA11が上回るということは当てはまらないように思えます。
このため、A11がGeekbench 4でシングルコアCPUスコア4000以上を達成することに大きく期待がかかっています。言い換えれば、A11とA10Xを比較して、少なくとも15%以上の性能向上が見込まれているのです。A11チップリークで示されている性能数値が、A10の性能に基づき正確であることが分かったかどうかに驚かれないでしょう。
◆すべてにおいて決定は下されていない
次のiPhoneのプロセッサ性能に対する手がかりを与えられるけれども、A11に関するその他の部分について学ぶことは、あまり役に立たないでしょう。しかしながら、電話に固定されたプロセッサでの一致が難しいくらい、iPadチップ上のグラフィックスに対してチップ領域を多く割り当てているように、A11はグラフィックスの点でA10Xと一致しないと予想されます。また、アップルがA11にもたらした他の非CPU・非グラフィックスの革新についても、我々にはわからないことなのです。
自信をもって言えることは、A11がシリコンエンジニアリングの驚異的な部分になるだろうということです。